
悲しみとともにどう生きるか (集英社新書)
柳田邦男, 若松英輔, 星野智幸, 東畑開人, 平野啓一郎, 島薗進, and 入江杏
集英社 / 2020-11-22
この本について
最近、誰かの痛みにどう向き合えばいいのか、自分でもよく分からなくなることがあります。気の利いた言葉が出てこない時もあるし、逆に踏み込みすぎてしまうこともある。そもそも「正しい接し方」なんて本当にあるのか、とモヤモヤしてしまうんですよね。 この本は、その曖昧なモヤモヤに、いきなり明快な答えをくれるわけではありません。でも、いくつかの場面で視点がゆっくり動く感覚があります。例えば、人に与えるものは自分が意図したものとは限らない、という話。朝の「おはよう」みたいな些細なやりとりが、誰かを本気で支えることもある。そういう“ありふれたケア”のほうが、専門的な言葉より先に必要になる場面が本当にあるんだと気づかされます。 もう一つは、文学にふれることで、自分の感じ方がふと変わる瞬間があるという指摘です。忘れていた香りが思い出を開くように、物語の言葉が無意識の制御を外してくれる時がある。悲しみのただ中にいる人が、外の世界に少しだけ目を向けられるようになるのは、そういう“わずかな揺れ”なんだと腑に落ちました。 誰かの痛みの前で立ち尽くしたことがある人、あるいは立ち尽くしているまま日々を過ごしている人に、静かに効いてくる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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