
料理と利他
土井善晴 and 中島岳志
この本について
料理をするとき、「もっと上手くやらなきゃ」と気負いすぎて疲れることがありませんか。私も仕事でも生活でも“ちゃんとしよう”と力が入りすぎて、逆に感覚が鈍っていくような気がしていました。そんなときに読んだ『料理と利他』は、がんばることとは少し違う方向から肩の力を抜いてくれる本でした。 印象的だったのは、「自分がよい料理をつくろう」と意気込むほど利他から離れていく、という話です。おいしさを狙うのではなく、素材の声を聞きながら“きれいになった”ところで手を止める。すると、想像以上のおいしさがあとからやってくる。これは料理に限らず、仕事でも人間関係でも同じで、成果を握りしめようとすると逆に遠ざかってしまう感覚に心当たりがありました。 もうひとつ響いたのは、「私が思う/つくる」ではなく、「私にうれしさがやってくる」「色がやってきて通り抜けていく」という“与格”の発想です。自分が主体になりすぎないことで、世界とのつながりが少しだけやわらかくなる。うまく説明できない直観や、数値化できない感性をもう一度信じてみようと思えます。 華やかなレシピ本とは全然違うけれど、日常の料理や仕事がしんどく感じたとき、立ち止まるきっかけをくれる一冊です。自分を追い込みがちな人にこそ静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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