
臨床ユング心理学入門 (PHP新書)
山中 康裕
PHP研究所 / 1996-10-21
この本について
最近、自分の中で説明のつかない違和感や、ふとしたときに噴き出す嫌悪感に戸惑うことが増えていませんか。表面ではうまくやれているつもりでも、どこかで「意識と無意識のバランス」が崩れている感じがある。僕自身も、仕事で判断が偏ったり、理由なく誰かにイライラしたときに、その正体が分からずモヤモヤしていました。 『臨床ユング心理学入門』を読んで救われたのは、こういう“説明しづらい揺れ”を無理に押さえ込まず、むしろ心の全体性が回復しようとする動きとして捉える視点をもらえたことです。例えば、過剰な嫌悪や「ねばならない」に固執するとき、その裏側にあるコンプレックスがどんなふうに感情を巻き込んでいるのか。あるいは、夢や身体症状が、意識だけでは処理しきれない部分を補おうとしている場合があること。こういう見方が入るだけで、自分の反応に少し距離が生まれます。 また、この本はユング心理学を“神秘的なもの”として扱いません。臨床の現場で実際に何が起きているのか、治療のどこで夢が意味を持ち、どこではまだ扱うべきでないのか。さらには、絵や音楽のような表現が、治療者との関係の中でどう心のドラマを外に現すのか。抽象論ではなく、具体的な変化として描かれていて腑に落ちます。 自分の心の裏側で何が動いているのか言語化できず、でも放っておくとしんどい…そんな人に静かに効いてくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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