
道教思想10講 (岩波新書)
神塚 淑子
岩波書店 / 2020-09-18
この本について
仕事でも日常でも、「なんで中国思想ってあんなに複雑なんだろう」と思う瞬間がたまにあります。老子だの陰陽五行だの聞いたことはあるのに、歴史の中でどうつながってきたのかを知らないまま、表面だけをなぞってしまう感じ。ぼく自身ずっとそのモヤモヤを抱えていました。 『道教思想10講』は、そのあたりの“つぎはぎの理解”を静かに整えてくれる本でした。張角の太平道や五斗米道といった教団的な始まりから、上清経・霊宝経が作られていく過程、唐代の「道先仏後」政策、そして仏教との衝突と吸収によって重玄学のような新しい思想が育つ流れまで、一つの帯のようにつながって見えてくるんです。単に知識が増えるというより、「あ、こうやって道教は形を変え続けてきたのか」という実感が持てるのが大きいところでした。 個人的には、日本文化との緩やかな接点まで書かれているのがありがたくて、遠い宗教史だと思っていたものが、自分の生活圏の背景とつながる感じがありました。専門書というより、歴史の中で人が何に頼り、何をつくってきたのかを追いかける読書に近いです。 中国思想の名前だけ知っていて「全体像がつかめない」と感じている人に、静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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