
現代坐禅講義 只管打坐への道 (角川ソフィア文庫)
藤田 一照
KADOKAWA / 2019-01-24
この本について
仕事でも生活でも「ちゃんとしたい」と思うほど、体も頭もガチガチになっていく感じ、ありませんか。呼吸を整えようとして逆に力が入ったり、集中しようとして気が散ったり、落ち着きたいのに落ち着けない…。自分のはからいが自分を縛ってしまうあの感覚です。 『現代坐禅講義』は、そういう「自分で自分を忙しくしてしまう癖」にそっと切れ目を入れてくれる本でした。坐禅の話ではあるんですが、読んでみると、むしろ日常の動き方や感じ方がじわっと変わっていく内容です。たとえば、限界を先に決めずにからだ全体で動きを味わうこととか、かゆみや雑念があっても反応せずにそっと置いておく姿勢とか、自分をコントロールしようとする手つきを緩めるヒントがたくさん出てきます。特に「目的意識を持ち込むほどくつろぎから遠ざかる」という指摘は、日常にもそのまま刺さる人は多いはずです。 この本は、坐禅を“上達”しようというより、今の自分のからだやこころにもう少し居場所をつくりたい人に向いています。完成形に向かうのではなく、三十分の間に起きる細かな変化をそのまま扱う姿勢は、がんばりすぎて視野が狭くなるときの拠りどころにもなると思います。 「外に答えを探しに行く前に、ちょっと立ち止まって足元を確かめたい」という人には、静かに効いてくる一冊です。
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