
Exit イグジット
相場英雄
日経BP / 2021-01-22
この本について
お金や政治のニュースを見ても、自分の生活とどうつながっているのかよく分からないまま、どこか不安だけは積み上がっていく。そんな感覚、けっこう共有している人は多いと思います。誰が何を言っても「本当のところはどうなんだろう」と胸の奥がざわつくあの感じです。 『Exit イグジット』は、そのざわつきに対して「大げさな希望」ではなく、「見えていない構造」をそっと差し出してくる物語でした。株価が思惑どおりに動かない理由や、政府の説明と自分の皮膚感覚がずれる理由が、フィクションの形を借りて丁寧に描かれている。読みながら、自分が普段どれだけ“都合のいい前提”に乗っかっていたのかに気づく瞬間がありました。 特に刺さったのは、人も組織も危機に直面すると「自分だけは助かる」と思い込んでしまう描写です。銀行や出版業界の例が出てきますが、これはどの職場でも似た構図があるはずで、現場の感覚と上の判断が噛み合わない理由が腑に落ちます。ニュースを追っているだけでは分かりにくい“本当に危ないときの空気”を、物語の中で体験できる感覚がありました。 現実がどう動くかを当てにいく本ではありません。でも、自分の足元の感覚を確かめたい人には刺さると思います。特に「なぜこんな違和感が続いているんだろう」と感じている人には、静かに効く一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの51%が集中しています。
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