
反オカルト論 (光文社新書)
高橋 昌一郎
この本について
ときどき、自分でも理由がよく分からないモヤモヤに巻き込まれることがあります。科学的に考えているつもりでも、噂や「みんながそう言うから」に揺さぶられたり、逆に専門家の言葉だからといって鵜呑みにしてしまったり。頭では分かっているのに、判断がぶれる瞬間ってありますよね。 『反オカルト論』を読んで強く感じたのは、こうした揺らぎが「自分だけの弱さ」じゃないということでした。東大数学科の学生が自分の進む道を極端にネガティブに語りながら、それでも当たり前のように数学を選ぶ姿や、ペレルマンが栄光よりも学問の純度を選んだ背景に触れると、人の理性って想像以上に不器用で、でもその不器用さの中で必死に考え続けているのだと実感します。逆に、科学者でさえ非合理な現象に出会うと簡単に騙されるという指摘には、身につまされるものがありました。 この本が効くのは、オカルトを一刀両断するからではなく、「なぜ人はそこに惹かれるのか」「どこで判断が狂うのか」を丁寧に示してくれるところです。六曜やおみくじの話、学術不正の事例、心霊ブームを鎮めようとした科学者たちの試みなど、どれも日常の判断にそのまま繋がります。読んでいるうちに、自分が何を信じ、どこで立ち止まるべきかの輪郭が少しずつ整ってきました。 「理性的に生きたいけど、理性だけじゃ不安が消えない」と感じている人には、かなり刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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