
まちカドかがく (ネコノス文庫)
市原 真、サンキュータツオ、牧野 曜
ネコノス / 20210525
この本について
どうしてあの会話は通じるのに、こっちの会話は噛み合わないんだろう。人との距離感や、漫才の「面白い/面白くない」も、言葉の扱い方ひとつで変わるのに、その正体がいつも霧みたいにぼやけている。日常で感じるこの手のモヤモヤを、軽いフィーリングではなく、ちゃんとした言葉で見直したくて読みました。 『まちカドかがく』が面白いのは、会話の裏側にある前提や、笑いを支えるロジックを、専門書みたいに堅くならずに説明してくれるところです。たとえば「庭に水まいてよ」「朝、雨降ったじゃん」がなぜ会話として成立するのかとか、「ツッコミがいつから常識代表じゃなくなったのか」とか、普段は流してしまう“当たり前”をいったん止めて、別の角度で見せてくれる。読んでいると、自分がどれだけ言葉の流れに無自覚に乗っていたかに気づかされます。 もうひとつ効いたのは、上下とか正しさの基準ではなく、「相手の土俵に立つ」コミュニケーションの視点です。数の論理で押し切るツッコミと、相手を五歳児みたいに丁寧に扱うツッコミとでは、同じ“指摘”でも意味がまったく違う。日常の人付き合いでも、その差がそのまま出るなと思いました。 言葉の流れ方に違和感がある人、会話が時々しんどい人、あるいはお笑いの「なんで面白いのか」をちゃんと理解したい人にはかなり刺さる本だと思います。自分の中のモヤモヤに、少し輪郭がつきました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
読書の順序
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