
英語の思考法 ──話すための文法・文化レッスン (ちくま新書)
井上逸兵
筑摩書房 / 20210708
この本について
英語を話す場面で、言い回しそのものより「これ言ったら失礼にならないかな」とか「距離の詰め方がわからない」といったモヤモヤがつきまとうことがあります。文法は知っているのに、口が動かないあの感じ。自分もずっとそこに悩んでいました。 この本がおもしろいのは、英語の表現を“文化の背景ごと”説明してくれるところです。例えば、相手がTシャツで寒そうでも何も言わない独立志向とか、I wouldn't… のように上下関係を作らない遠慮深い言い方とか、日本語の感覚とは違う「個を傷つけないための工夫」が細かな例と一緒に見えてくる。単に言い換えのフレーズを覚えるのではなく、「なぜその言い方をするのか」が腑に落ちるので、実際の会話で迷う時間が少しずつ減っていきます。 特に、自分が刺さったのは「相手の領域に踏み込みすぎない」という前提を知るだけで、英語の提案や断り方のハードルが下がったことです。You should… が慎重に扱われる理由とか、I guess や maybe をどう使うかが頭の中で整理されるだけで、会話の温度調整が楽になる。英語が得意・不得意よりも、コミュニケーションのクセに悩んでいる人ほど救われる内容だと思います。 英語を“話す技術”より“距離感の技術”として理解したい人に刺さる一冊です。
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