
ラストエンペラー習近平 (文春新書)
エドワード・ルトワック and 奥山 真司
文藝春秋 / 2021-07-19
この本について
国際ニュースを追っていて、「なんでこんな判断になるんだろう」とか「大国同士の動きが全然読めない」とモヤモヤすることが多いんですが、この本を読むと、その戸惑いが少し言語化されます。中国がなぜ自分で撒いた火種にさらに油を注ぐような行動をとるのか、なぜ“ビジネスと戦争が同時に成り立つ”と本気で考えられるのか。そこにある独特のロジックが、具体例とともに整理されています。 読んでいて意外だったのは、軍拡や国力の強化がそのまま安全保障につながるわけではなく、むしろ他国の警戒心を強めてしまうという指摘です。地政学の基本のようでいて、実際のニュースを見ていると忘れがちな視点でした。また、ドローンが装甲車を上から貫通させる場面の描写や、現代戦なのに中世的な“歩いて戦う”状況が続いているという説明など、抽象論に逃げず、現場レベルの感覚まで落としてくれるのが助かりました。 国家レベルの話ではありますが、結局のところ「相手からどう見えるか」「自分の行動がどんな連鎖を起こすか」という戦略思考は、仕事の場でもまったく同じだなと感じます。特に、力を強めたときこそ周囲との関係づくりが必要になる、というのは組織内の立ち位置にもそのまま応用できます。 国際情勢の“なぜそう動くのか”を、自分の思考の筋トレに使いたい人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
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