
ローマ人の物語(I~XV)合本版
塩野七生
この本について
仕事でも日常でも、価値観のちがう相手とどう向き合えばいいのか、ずっと腹の底で引っかかっている感覚ってありませんか。相手を否定したくないのに、話が噛み合わない。制度や組織の仕組みも、どこか「誰のためにあるのか」が見えにくい。自分も迷いながら読んでいて、この本が少し視界をひらいてくれたところがあります。 『ローマ人の物語』で一番刺さったのは、ローマ人が“他者の神を認めた”という姿勢でした。相手の背景ごと存在を認めるという考えは、現代の職場やチームにもそのまま持ち込める視点だと思います。もう一つは、改革がいつも新しい勢力から始まるわけではなく、旧勢力の内部から生まれることが多い、という指摘。組織で「なぜ変わらないんだろう」と思っていた僕には、意外と変化は別のところから動くのかもしれない、と落ち着く部分がありました。そして、ローマ人が道徳や正しさを“宗教”ではなく“法律”に求めたというくだり。何を拠り所にするかで社会の形が変わるという感覚が、妙に腑に落ちます。 歴史の話なのに、制度づくりや人間関係のリアルにそのままつながってくるのが、この本の面白さでした。組織の中で悩むことが多い人、他者との距離感に戸惑いやすい人には、とくに刺さる一冊だと思います。
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