
誰が国家を殺すのか 日本人へⅤ (文春新書)
塩野 七生
文藝春秋 / 2022-11-18
この本について
最近、「政治の話題って結局なにを信じればいいのか分からない」とか、「ニュースを追っても表の情報しか見えてこない気がする」という声をよく聞きます。自分も同じで、判断の軸がどこにあるのか見失いがちなんですが、この本を読むと少しだけ視界がひらける感覚がありました。 印象的だったのは、国家や政治を語りながらも、著者が“人間の判断”そのものをずっと見つめているところです。公共事業を政治として考えるか経済として考えるか、リーダーが怒りや不安を利用すると何が起きるのか、そして短慮に流される国民と責任を負えない政治家が組み合わさるとどうなるのか。歴史の事例を淡々と置いてくるだけなんですが、「ああ、今の空気の源流ってこういうところか」と腑に落ちる場面が多いんです。 もう一つおもしろかったのは、仕事や組織の話が意外と刺さること。編集者の即決権や想像力のくだりなんて、業界は違ってもそのまま自分の現場に持ち込めるし、「決めたことだから変えられない」という姿勢がどれだけ前進を止めるかも、痛いほどよく分かります。政治だけでなく、日々の判断で迷いがちな自分にも返ってくる言葉が多かったです。 “情報の洪水の中で、自分の基準をどこに置けばいいか迷っている人”にとって、こういう視点の補強になる本だと思います。神格化はしないけれど、読むと確かに少しだけ呼吸が深くなる一冊でした。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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