
平成史―昨日の世界のすべて (文春e-book)
與那覇 潤
文藝春秋 / 2021-08-06
この本について
社会の空気が読めないというか、「自分はいま何の時代を生きてるんだろう」とふと立ち止まってしまうことがありませんか。政治的な対立も、ネットの言葉の荒れ方も、なにか“大きな物語が失われた後”の後始末をしているようで、どうにもつかみどころがないまま日常だけが続いていく感じ。僕自身、このモヤモヤを放置したまま仕事の判断をしているのが落ち着かなくて、平成という時代をまともに振り返れていないことに気づきました。 この本は、そういう「いまの位置がわからない」という感覚に対して、過去を美化も断罪もせず、現実的に手繰り寄せてくれる一冊でした。たとえば、全共闘や団塊世代が“みんな政治に熱かった”わけではないという指摘は、世代像の作られ方を一段引いて見せてくれますし、「言語」に寄った左翼と「身体」を模倣する右翼という対比は、現代の分断の根の浅さ・深さの両方を考えるヒントになります。さらに、1989 年に“左右という芯棒が折れた”という視点に触れると、平成以降の迷走が単なる気分ではなく構造的なものだったと腑に落ちます。 大げさに未来を予言する本ではなく、いまの息苦しさを別の角度から見えるようにしてくれる本です。社会の雰囲気に置いていかれている気がする人、あるいは自分の判断軸をもう少し深いところから組み直したい人には、特に刺さると思います。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの44%が集中しています。
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