
現代思想2021年11月号 特集=ルッキズムを考える
西倉 実季、堀田 義太郎、田中 東子、トミヤマユキコ、中村 桃子、広瀬 浩二郎、森山 至貴、山田 陽子
この本について
外見の話題って、ときどき自分でもよくわからない疲れ方をしませんか。差別だと言い切れるほど強い意識があるわけでもないのに、恋愛や仕事の場で「見た目をどう扱うべきか」と問われると急に言葉に詰まる。多様性を尊重したい気持ちと、自分が内側に持っている美意識のクセとのあいだで揺れるあの感じです。 この特集は、その揺れをごまかさずに扱ってくれるところがありがたいと感じました。たとえば「外見を理由に不利益を与えること」と「個人が誰かを選ぶときに外見を考慮すること」はまったく別の話だという整理。あるいは、ボディポジティブが人を勇気づける一方で、別の新しい“基準”のプレッシャーにもなり得るという指摘。どれも、自分の中のモヤッとした感覚を丁寧に言語化してくれるようでした。さらに、外見を巡る価値観を完全に手放すのではなく、美しさを感じる幅そのものを広げるという提案も現実的で、無理に理想化しない姿勢が救いになります。 見た目に関する話題で「白黒つけられないまま気まずく黙ってしまう人」には、とくに刺さると思います。読み終えたあと、自分の感覚の善悪を決めるというより、どう付き合っていくかの足場がひとつ増える本でした。
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