
明け方の若者たち (幻冬舎文庫)
カツセマサヒコ
幻冬舎 / 2021-11-17
この本について
恋愛でも仕事でも、「自分は間違ってばかりだな…」と感じる時期ってありますよね。忘れたい人を忘れられなかったり、三振続きで何者にもなれない気がしたり、相手の一言に期待しては落ち込んだり。頭では分かっていても心がついてこない、あのどうしようもない感じ。僕も二十代のころはずっとその渦にいました。 『明け方の若者たち』が刺さるのは、そういう“整理のつかなさ”を無理にまとめようとしないところだと思います。恋が終わるときの「突然」に見える積み重ねの話や、忘れようとしても忘れられない時間の扱い方、三振ばかりでも打席に立ち続けるしかないという地味だけど現実的な前進の仕方。読んでいるうちに、自分の過去の情けない行動や未練にも、少しだけ言葉が与えられていく感じがするんです。 特に、人に合わせすぎて自分が薄くなってしまった経験がある人には、胸の奥が静かに反応すると思います。彼女の世界に染まっていく主人公の描写や、「好き」のベクトルが交わらない虚しさは、誰かを本気で好きになったことのある人ならきっと思い当たるところがあるはずです。 こんな人に刺さるのは、「過去の恋や選択を、まだどこかで引きずっている自覚がある人」。前向きになれと言われても動けないとき、無理に切り替えさせるのではなく、そのままの揺れを抱えたまま少しだけ前に進ませてくれる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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