
はじめての哲学 (岩波ジュニア新書)
藤田 正勝
岩波書店 / 2021-06-18
この本について
最近、自分のやっていることが「本当に意味あるのか?」みたいな感覚にとらわれることが増えている人、けっこういる気がします。仕事をがんばっても次の欲が出てきて落ち着かないし、他人の価値観に引っぱられて、自分の軸がどこにあるのか分からなくなるあの感じです。僕自身もよくそこで立ち止まります。 『はじめての哲学』は、そういうモヤモヤに直接答えをくれる本ではないのですが、そのかわりに視点を少しずつズラしてくれます。たとえば、欲望の連鎖に巻き込まれると自分の中身が空っぽになっていくという話は、日々の「なんとなく疲れる理由」を言い当てられたようでしたし、最終的に何を「良い」とするのかを辿っていく問いは、自分がどこに向かっていたいのかを考え直すきっかけになります。また、大きな視点で世界を見るというのは、知識を増やすというより、思い込みを静かにほどいていく作業なんだと教えてくれます。 哲学と聞くと難しそうですが、この本は、身の回りの不思議に気づくところから始めていいんだと背中を押してくれます。答えを探すというより、雑音でいっぱいになった思考をいったん整えて、自分の生の輪郭を確かめたい人に向いている本です。特に「生きる方向を定めたいけど、即効薬はいらない」というタイプの人にはしっくりくると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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