
「書き出し」で釣りあげろ
レス・エジャートン, 倉科顕司, 佐藤弥生, and 茂木靖枝
フィルムアート社 / 2021-11-25
この本について
文章を書いていると、気づけば形容詞を積み上げたり、状況説明ばかりになったり、「何がいけないんだろう…」と手が止まることがよくあります。僕も同じで、書き出しに自信が持てないまま何度も原稿を閉じてきました。そんなときに読んだのが『「書き出し」で釣りあげろ』でした。 この本が面白いのは、「うまく書こう」とするほど凝り固まってしまう視点を、一度ほぐしてくれるところです。例えば、形容詞を盛るよりも、登場人物が“何をしているか”の一瞬を切り取るほうがずっと力を持つ、という指摘。あるいは、書き出しは全部を説明する場所ではなく、核心の問題の影だけをそっと置けばいい、という考え方。読みながら、自分がどれだけ“語ろうとしていたのか”に気づかされました。また、良い結末は勝ち負けのどちらかではなく、その両方を含むという話も、きれいに締めようとして空回りしていた自分には刺さりました。 派手さはないけれど、具体的な例と一緒に「ここだけ押さえれば物語は動き出すよ」と背中を押してくれる本です。書き出しで悩み続けている人や、物語がいつも説明から始まってしまう人に、静かに響くと思います。書くことが少ししんどくなっているときにこそ、そっと開きたい一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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