
旅をする木 (文春文庫)
星野 道夫
文藝春秋 / 1999-03-10
この本について
最近、毎日がちょっと窮屈に感じることがありませんか。やることはこなしているのに、自分の世界がどんどん“小さく”なっていくような感覚。気づけば、日々の判断や気分まで、目の前の情報に引っぱられている。そういう時に、何を足せばいいのかも、逆に何を手放せばいいのかも分からなくなるんですよね。 『旅をする木』を読むと、その小さくまとまりかけた視野がほんの少し緩む感覚があります。たとえば「世界の広さを知ったことは、自分を解放し、気持ちをホッとさせた」という一文のように、自分の暮らしている場所や価値観を相対化できるだけで、呼吸が深くなる。あるいは「情報がきわめて少ない世界がもつ豊かさ」という視点に触れると、焦って集め続けていたものを一度脇に置いてみようかな、という気持ちになる。そして何より、特別な出来事ではなく“いつか必ず懐かしく思い出す風景”に光を当てる描写が、忘れていた感覚をゆっくり呼び戻してくれます。 派手な変化を促す本ではありませんが、読む前と後で、自分のものの見え方が少しだけほぐれる。その「少し」が意外と効くんです。日常の密度に息切れしている人には、特にしみる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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