
荘子の哲学 (講談社学術文庫)
中島隆博
講談社 / 2022-06-09
この本について
仕事でも生活でも、自分の判断が「どこまで自分の意思で、どこから環境に流されているのか」よくわからなくなる時があります。何かを変えたい気持ちはあるのに、無理に介入してもうまくいかない。かといって受け身すぎると停滞しているようで落ち着かない。そんな揺れが続くと、何を手がかりに動けばいいのか分からなくなります。 『荘子の哲学』を読んで感じたのは、荘子が「人は物と違って、物を物として捉える主体なんだ」と語りながらも、世界に対して積極的に操作しようとする姿勢には距離を置いている点でした。天は天として自ずから動いていて、そこに乗ろうとする受動性すら必要になる、という視点は、自分を無理に作り替える前に「どんな流れの中に立っているのか」を確かめる余白をくれます。さらに、本書はドゥルーズや郭象との接続を通して、他なるものに変わるとは「根本の構成が変わること」だと説明してくれるので、表面的な気合いや目標設定とはまったく別の変化の捉え方が見えてきます。 自分を押し広げたいけれど、何かを“足す”方向ではしっくりこない人に刺さると思います。荘子の言葉を古典のまま持ってくるのではなく、現代思想と並べて読むことで、変わり方にもいろいろあるんだと静かに教えてくれる一冊でした。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの64%が集中しています。
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