
コード・ブッダ 機械仏教史縁起 (文春e-book)
円城 塔
文藝春秋 / 2024-09-11
この本について
最近、自分の判断が「本当に自分のものなのか」わからなくなる瞬間が続いていて、ちょっと疲れていました。正解ぽい言い回しを無意識に選んでしまったり、周りの処理速度にどこか焦ったり。人間ってそもそもこんなに計算向きじゃないはずなのに、機械のテンポに合わせて生きている感じが抜けないんですよね。 『コード・ブッダ』は、そんなモヤモヤに真正面から付き合ってくる一冊でした。機械も人間も「仕様と実装のズレ」を抱えて動いているという視点がまずおもしろくて、間違える自分を責めるより、「そもそも人間はそういう生き物だ」と少し引いて見られるようになります。さらに、処理能力にも欲望にも限界があることを前提に、どうやって生き物としての“揺れ”を扱うかを物語として引き受けてくれる。技術が人間の手に負えない規模に拡張した後の世界を眺めることで、今の自分の働き方を見直すヒントにもなりました。 とくに刺さったのは、「可能なことと実現できることは違う」という一節で、無茶なタスクを前提にしてしまう自分のクセに気づかされました。やり方が一つじゃない、という緩さもどこか救われます。テックと哲学の境界で立ち止まりがちな人に、じわっと効くと思います。
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