
株式会社の世界史―「病理」と「戦争」の500年
平川 克美
東洋経済新報社 / 2020-10-30
この本について
仕事をしていると、ときどき「自分が属している会社って、そもそも何なんだろう」とか、「成長しろと言われ続ける前提そのものが hard mode すぎないか」といった、言葉にしづらいモヤモヤが出てきます。頑張りたい気持ちはあるのに、どこかで前提への違和感が引っかかる感じです。 この本は、その引っかかりを無理に肯定も否定もせず、歴史の流れの中で“会社という仕組みがどうやって今の形になったのか”を丁寧にたどってくれます。資本と経営の分離や有限責任といった構造が、便利さと同時に「誰も責任を負えない」状態を生みやすいという指摘は、現場で起きるあの不可解な意思決定の正体を少しだけ説明してくれますし、金融が「金を金で買う」世界へ膨れ上がった経緯を知ると、目の前の仕事が不思議と地に足のついたものに見えてきます。 さらに、国民国家と株式会社が本来まったく別の論理で動いてきたという話も、成長を当然視する空気への距離の取り方を教えてくれます。歴史を知ることで、自分が感じていた違和感が個人の問題ではなく、大きな構造の副作用なんだと分かる。その実感が、この本の一番の効き目です。 自分の働き方や会社との距離感にうまく言葉が当たらない人に、静かに刺さる一冊です。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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