
いけない (文春文庫)
道尾 秀介
文藝春秋 / 2025-06-04
この本について
仕事でも日常でも、「答えが出ないまま時間だけが進んでいく感じ」に疲れることありませんか。考えても考えても腹のあたりが落ち着かなくて、不安だけがじんわり広がるようなあの感覚。自分の中の違和感に気づいているのに、それを言葉にできないまま歩き続けてしまう……。抜粋を見ていると、この本に触れた読者の多くがまさにその“言葉にならないざわつき”に反応しているように思いました。 『いけない』は、派手な謎解きよりも、登場人物の心の揺れや、ものごとの見え方が一気に反転する瞬間に重心が置かれています。章ごとに「見てはいけない」「聞かせてはいけない」といった制止が続きますが、その裏にあるのは恐怖というよりも、自分の理解がぐらりと揺らぐ心地よさと不気味さの同居です。現実には答えの出ないことが普通にある、というセリフも印象的で、読み終わったあとに「無理に決着をつけなくてもいいのかもしれない」と思える余白が残ります。 日常の解像度をほんの少しズラしてくれるので、停滞している気分を動かしたい時にじわっと効いてきます。特に「自分の中で説明しきれない違和感を抱えている人」には刺さりやすい一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
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