
近畿地方のある場所について
背筋
KADOKAWA / 2023-08-30
この本について
仕事でも日常でも、説明のつかない「理由のわからなさ」に飲まれる瞬間ってありますよね。筋道を探しているのに、世界のほうがじっとこちらを見返してくるような、あの妙な感覚。僕もそういう不気味さに弱くて、放っておくと考えが渦みたいに回り続けてしまいます。 『近畿地方のある場所について』は、その“渦”をいきなり断ち切るというより、まずは一緒にその正体を見に行こうと隣に立ってくれる本でした。意味の取れない言葉や、失踪事件の記録、写真の説明、都市伝承の語り。ひとつひとつが曖昧さを抱えたまま並んでいて、読みながら「わからないものと距離を取る訓練」をしているような感覚になるんです。怖いのに、どこか落ち着く。自分が勝手に“意味づけしようとする癖”に気づかされる瞬間が何度もありました。 特に、忘れられないために“悪さをする存在”の話は、仕事で評価に振り回されるときの自分にも少し重なって刺さりました。根拠のない焦りに支配されそうになったら、一度立ち止まって「これは本当に自分の問題か?」と確認する余裕をくれる本でもあります。 曖昧さや不可解なものに引っ張られやすい人、理由の見えない不安と共存している人には、静かに効く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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