
言語はこうして生まれる―「即興する脳」とジェスチャーゲーム―
モーテン・H・クリスチャンセン, ニック・チェイター, and 塩原通緒
この本について
仕事でも日常でも、「言いたいことがうまく伝わらない」とか、「相手の意図を読み違えていた」と後から気づいて落ち込むことがよくあります。自分の言語センスが足りないのかと思いがちですが、この本を読むと、そもそもコミュニケーションってそんなに精密な“伝達”じゃないという前提がひっくり返ります。 面白いのは、会話が「即興のダンス」に近いものとして描かれているところです。相手が話し終わる前の〇・二秒で次の一手を準備していたり、耳に入る単語のすべてを解析しているわけではなく、ざっくりした骨子をとらえて動いていたり。自分の言葉選びも実は綿密な計画ではなく、その場で組み立てた“プレハブ”の組み合わせで進んでいるらしい。これを知ると、完璧な表現を出そうとして固まっていた場面が少しゆるむんですよね。 さらに、意味は瓶詰めされたメッセージじゃなく、互いの背景や文脈を総動員した共同作業で立ち上がるものだ、と繰り返し語られます。だからこそ相手と呼吸を合わせることのほうが大事で、単語の正確さにこだわりすぎるほど伝わりにくくなる。仕事で説明に苦戦していた自分には、かなり視点が変わる内容でした。 会話のズレや疲れに悩んでいる人や、「もっと言葉をうまく使えるようになりたい」と思っている人には刺さる一冊だと思います。
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