
実践トラウマインフォームドケア---さまざまな領域での展開
亀岡 智美
この本について
子どもや家族の「困っている行動」を前にした時、こちらもどう向き合えばいいのか分からなくなることがあります。叱るのも違う気がするし、優しくするだけでは何も変わらない感じもある。さらに支援の組織側の事情や限界も見えてきて、「自分にできることって何なんだろう」と立ち止まることも多いと思います。 この本は、そういう行き詰まりの背景に“トラウマ”という視点を置き直すことで、状況の見え方が変わっていくところに価値があります。たとえば、子どもにとっての行動の引き金や再トラウマ化のリスクを丁寧に考える姿勢や、「支援者が良かれと思っている方法」そのものが負担になる可能性への注意が、実践レベルで書かれています。さらに、加害の責任は加害者にあることを繰り返し伝える重要性や、親自身の背負ってきたトラウマを理解することで家族機能の回復に近づくという視点も、実際の支援の会話にすぐ反映できる内容です。 そして何より、TICは個人の努力で完結する技術ではなく、組織全体で“風土”として育てていくものだと繰り返し語られています。忙しい現場や制度の制約の話も包み隠さず書かれているので、理想論に感じず現場の感覚にフィットする人が多いはずです。 「行動の奥にあるものをもっとていねいに見たいけれど、どう言語化すればいいか迷っている人」に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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