
極限の思想 ラカン 主体の精神分析的理論 (講談社選書メチエ)
立木康介、大澤真幸、熊野純彦
講談社 / 2023-01-13
この本について
日々の仕事や人間関係で、「結局、自分は何に振り回されているんだろう」と立ち止まることがあると思います。相手の反応に過剰に揺れたり、自分でもよく分からない衝動に悩まされたり。原因を言語化しようとしても、どこか地面のない場所を歩いているような感覚が残ることがあります。 この本は、その“つかみどころのなさ”を無理に説明しようとはしません。むしろ、私たちがどうして「出会い損ない」によって構成されているのか、なぜ〈他者〉に真理を求めながら、その〈他者〉にも欠けがあるのか、といったところに丁寧に光を当ててくれます。対象aが三つの領域をつなぐ役割を果たしているという話や、言語の場としての〈他者〉が実は保証者になりきれないという指摘は、日常で覚える不一致感にそのままつながってきます。 読んでいて一番おもしろかったのは、「構造に決められているのに、最後は自分の同意が必要になる」という主体の立ち位置です。どうにもならない部分と、自分で引き受けるしかない部分の境界が少しだけ見えるようになる。この“視界の変化”が、悩みを即解決するというより、立ち止まり方を変えてくれる感じがあります。 自分の中の説明しきれない違和感を、ちゃんと扱いたい人に刺さる一冊だと思います。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの88%が集中しています。
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