
社会関係資本——現代社会の人脈・信頼・コミュニティ
ジョン・フィールド, 佐藤 智子, 西塚 孝平, 松本 奈々子, and 矢野 裕俊
明石書店 / 20221116
この本について
仕事でも生活でも、人とのつながりが大事だと頭では分かっているのに、実際はその“つながり”がどう機能しているのかよく掴めないまま、なんとなく不公平さだけ感じてしまうことってあります。自分だけ入口が見えないような感覚というか、「人脈って結局どういう仕組みで力になるんだろう」とモヤモヤする瞬間があると思います。 この本は、そのモヤモヤを感覚論ではなく構造として見える形にしてくれるところが助かりました。ネットワークがそもそも資産として扱われる理由や、同じ「つながり」でも特権階級を押し上げ、不利益層をさらに隘路に追いやる働きがあることまで丁寧に描かれています。さらに、昔の共同体的なつながりと現代の複雑な社会におけるつながりがどう違うのか、デュルケームの連帯の話が意外と現代の実感に近くて、立ち止まるきっかけをくれました。教会のように意図的に構築されたコミュニティの例もあって、「自然な人脈」と思っていたものに別の角度が差し込まれます。 人づきあいに苦手意識がある人よりも、「自分の立ち位置や環境がどう作用しているのか知りたい人」に刺さるタイプの本です。読み終える頃には、人脈を増やそうと躍起になるより、まず“どんな構造の中に自分が置かれているのか”を見る方が近道だな、と静かに思わせてくれます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの44%が集中しています。
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