
自律神経の科学 「身体が整う」とはどういうことか (ブルーバックス)
鈴木郁子
講談社 / 2023-04-13
この本について
なんとなく体が重い日が続いたり、ストレスがかかると胃だけがやられたり、呼吸が浅くなっている気がしたり。原因がはっきりしないまま「自律神経のせいかな…」で片づけてきたけれど、結局どう向き合えばいいのかはよく分からないまま、という人は多いと思います。僕もその一人でした。 この本が面白いのは、マッサージで内臓の調子が変わる理由や、ストレスで胃が荒れるメカニズム、呼吸が浅くなると横隔膜が疲れて不調につながる流れなど、日常で起きている“なんでそうなるの?”に全部説明がつくところです。たとえば、強いストレスで交感神経と副交感神経が同時に活性化して胃潰瘍に向かう話は、単なる「ストレスは良くない」ではなく、自分の体で今なにが起きているのかが手触りで分かってくる感覚があります。あるいは、歌ったりおしゃべりしたりすることで横隔膜の張りをゆるめられる、という昔からの知恵に科学的な裏付けがあるのも、読んでいて腑に落ちました。 全体として、生活のなかの小さな違和感を「気のせい」で流さず、体の信号として受け取る視点をくれる本だと思います。特に、ストレスとの距離感がつかみにくい人や、呼吸や胃腸など“なんとなく不調”が続く人には静かに効いてきます。自律神経という大きなテーマを扱いながら、決して大げさに煽らず、日々の選び方を少しずつ変えるヒントをくれる一冊でした。
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