
ここちよさの建築 NHK出版 学びのきほん
光嶋 裕介
この本について
なんとなく今の部屋に落ち着かない、家にいても休まっている感じがしない。そんなモヤモヤを抱えたまま、結局「まあこんなものか」と片づけてしまうことが僕にもよくあります。自分のここちよさって、意外と自分でも把握できていないんですよね。 『ここちよさの建築』が面白いのは、「空間そのもの」よりも、「自分の身体がどう感じているか」を丁寧に扱ってくれるところでした。たとえば、火のまわりに人が自然と集まってきたという話。単なる歴史ではなく、僕らの感覚の奥にある“安心の理由”を思い出させてくれます。また、同じ場所にいてもトンボと人間では世界の見え方が違う、という環世界説の例が出てきますが、これはそのまま「他人が良いと言う空間が、自分にとっても良いとは限らない」という気づきにつながっていきます。 そしていちばん刺さったのは、ここちよさは固定された尺度ではなく、自分が変われば感じ方も変わるという視点でした。だからこそ余白やゆとりが必要で、違和感も大切にしていい。最近、誰かの“正解”に合わせようとして疲れていた人には、この考え方がかなり効くと思います。 自分の生活をもう少し手ざわりのあるものに戻したい、そんな人向けの一冊です。
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