
別冊NHK100分de名著 読書の学校 苫野一徳 特別授業『社会契約論』
苫野一徳
NHK出版 / 2017-11-25
この本について
仕事でも日常でも、「自由にしていい」と言われるほど何を選べばいいのか分からなくなる場面ってありますよね。選択肢が多いはずなのに、むしろ息苦しい感じがする。自分の意思で生きたいと思う一方で、他人との関わりの中でどう折り合いをつければいいのか迷う。僕自身、このあたりで長くモヤモヤしていました。 この本が面白いのは、「自由とは何か」を抽象的に語るのではなく、ルソーやロック、ホッブズらの議論を手がかりに、私たちが社会の中でどう自由をつくり直していけるのかを、具体的に考えさせてくれるところです。たとえば、人権を“最初から与えられているもの”とみるロックに対して、ルソーは“みんなでつくるルール”として捉える。その違いを腑に落とすと、普段なんとなく従っている仕組みとの距離感が少し変わります。また、「自由であることの苦しみ」という指摘は、現代の私たちが感じる閉塞感そのものを言い当ててくれて、ちょっと救われる部分もあります。 政治哲学というより、「どう生きれば息がしやすくなるのか」を歴史の思考の中で探す一冊です。仕組みの話が自分の生活とつながる感覚を持ちたい人に刺さると思います。
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