
NHK「100分de名著」ブックス ルソー エミール 自分のために生き、みんなのために生きる
西 研
この本について
最近、「自分のしたいことって何だっけ」と立ち止まる瞬間が増えている人、多い気がします。仕事でも家庭でも、周りの期待に合わせるうちに、自分の軸がぼやけてしまう感じ。かといって、自分のことだけ考えて生きるのも違うよな…というモヤモヤも同時にある。僕自身、この往復運動にかなり疲れていました。 そんなときに読んだのが『エミール』の解説本でした。ルソーが言う「自分のため」と「みんなのため」をどう両立させるかというテーマは、現代にもそのまま刺さります。印象に残ったのは、欲望をむやみに満たすのではなく、自分の良心を基準にするという視点。そして、競争や評価からいったん離れて、自分の欲求をちゃんと自覚するところから自由が始まるという話。読んでいると、やみくもに頑張るよりも、まず自分が何を心地よいと感じるのか確かめることの方が先だと気づかされます。 もうひとつ効いたのは、「社会に役立つ人」をいきなり目指すのではなく、他者への共感や、外の世界とどう関わるかをゆっくり育てればいいという姿勢。自分を整えることと、他者への思いやりは対立しないというのが、読んでいて安心できました。 自分の軸を見失いがちな人にとって、無理に背中を押してくる本ではないです。ただ、静かに「ここから考えてみない?」と誘ってくれる。そんな一冊でした。
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