
クリプキ ことばは意味をもてるか シリーズ・哲学のエッセンス
飯田 隆
NHK出版 / 2004-07-23
この本について
仕事でも日常でも、「自分の言葉は本当に相手に伝わってるのか」「そもそも“正しい”って何を基準に言ってるんだろう」とふと立ち止まる瞬間があります。考えすぎだと思いつつ、どこかでモヤモヤが残る。僕自身、このあたりでずっと足踏みしていたときに出会ったのが『クリプキ ことばは意味をもてるか』でした。 この本が効いたのは、まず“言葉の意味”が世界に貼りついている事実ではなく、私たちの態度や歴史に支えられている、という視点に触れたところです。相手と自分で「同じ言葉を同じ意味で使っている」保証なんて、本当はどこにもない。その不安を避けるのではなく、社会の中で共有されているからこそ意味が立ち上がる、と整理してくれる。ここが肩の力が抜けた部分でした。 もうひとつは、因果関係や帰納といった“当たり前に使っている概念”が、実は私たちの習慣の積み重ねで成り立っていると気づかされる点。世界に必然があるから信頼しているのではなく、信頼しながら世界を見ているだけかもしれない。この順番の反転が、判断に迷ったときの立ち位置を少し変えてくれます。 「自分の考え方がどこに支えられているのかを確かめたい人」に静かに刺さる一冊だと思います。哲学の大きな話に見えて、実際には“自分がどう世界とつながっているか”を考え直す作業に近い本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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