
大人の道徳―西洋近代思想を問い直す
古川 雄嗣
東洋経済新報社 / 2018-07-27
この本について
最近、「自由に生きたい」と思う一方で、ほんとうに“自由”って何なんだろうと立ち止まる瞬間が増えました。やりたいことを追っているはずなのに、気づけば仕事やお金の話ばかりで、どこか自動操縦みたいになっている感じ。僕自身、このモヤモヤを放置したまま走るのがだんだんしんどくなってきていました。 『大人の道徳』は、その答えを断定する本ではありませんが、「そもそも自由とは何か」「社会の仕組みはどう成り立ってきたのか」といった土台の部分を、思い込みを外しながら丁寧に考え直させてくれます。特に、“自由とはやりたいことをやることではなく、やるべきことを選べること”という視点は、目先の感情に流されがちな自分にとって、かなり痛くもあり救いにもなりました。また、古代の市民と奴隷の話や、近代がどんな発見から始まったのかという歴史的な流れを知ることで、いま自分が立っている場所を少し俯瞰できるようになります。 日々の仕事に追われつつも、「このままの思考回路でいいのか」とふと不安になる人には、特に刺さると思います。焦って変わろうとしなくても、まずは自分が何を基準に生きているのかを見直すきっかけとして、とても静かに効いてくる本でした。
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