
ツインスター・サイクロン・ランナウェイ3 (ハヤカワ文庫JA)
小川 一水
早川書房 / 2023-06-20
この本について
仕事でも人間関係でも、こっちは真面目にやってるだけなのに、外側から勝手な意味づけをされて振り回されることってありますよね。自分の選んだ理由より、他人の“大きな物語”のほうが優先されてしまう感じ。そのたびに、何を信じて動けばいいのかぼんやりしてきます。 『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ3』の抜粋に強く反応している人は、おそらくその「勝手に物語を背負わされる理不尽」への反発が、登場人物の叫びに重なっているからだと思います。彼らが言っているのは、壮大な陰謀よりも、自分たちの生活や願いを基準にしていいという当たり前の感覚で、それが妙に胸に残るんです。 読んで効くのは、まず“物語を自分で選び直していい”という視点をもらえるところ。誰かに説明を求められても、理由が「楽しかったから」で十分なんだと肩の力が抜けます。もう一つは、宇宙規模の設定なのに、関係性の距離感はちゃんと日常的で、自分が今どこに立っているのかを落ち着いて見返せるところ。雑に決めつけられた役割から静かに逃げる方法を、SFの形で見せてくれる感じです。 大げさに言えば「大きな物語に疲れている人」に刺さる本です。物語世界は遠くても、拾える視点はかなり生活に近いので、現実に戻ったときに少し呼吸がしやすくなります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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