
あなたが知らないあなたの話
阿部敏郎、雲黒斎
徳間書店 / 2018-12
この本について
最近、「自分って何者なんだろう」とか「昔の自分と今の自分、どれが本当なんだろう」とモヤモヤすることが多い人、けっこういると思います。特に、性格や選択がブレて見えると、不安になるんですよね。まるで“芯がない自分”を責めるみたいに。 この本が面白いのは、そういう不安そのものを否定しないところです。自我は「私はこういう人間だ」と決めたがるけれど、実際の私たちは状況や気持ちでどんどん変わる。そのズレを苦しみとして抱えるより、そもそも「自己って社会で使うための道具なんだ」と知ってしまうほうが楽になる、という視点が提示されています。自分が揺らぐときも、「ああ、道具の設定が変わっただけか」と見られるようになるのは、けっこう現実的で効きます。 もうひとつ刺さったのは、お金や感謝の捉え方がひっくり返るところです。お金はストレスの対価じゃなくて、誰かの「ありがとう」の結果なんだという考え方。努力や苦労を積み増すことばかり意識してしまうとき、こういう視点は肩の力を抜いてくれます。自己を守ろうと縮こまるより、外側に働きかけたほうが案外うまく回る、という話も現実で試しやすいと思いました。 「自分探しに疲れてきた人」に静かに刺さる本です。自分を作り込むより、一度その“仕組み”を理解すると、少し呼吸がしやすくなるかもしれません。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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