
正義と微笑 太宰治集 (古典名作文庫)
太宰治 and 古典名作文庫編集部
累計読者数9
平均ハイライト数 1.8件/人
star総合評価 32/100
boltライト読書型
この本について
最近、年齢や立場に関係なく「なんだか昔より怒りっぽくなった気がする」「自分の考えを人に説明するのがしんどい」と感じる人が多い気がします。僕自身もそうで、無理に明るく振る舞うほど空回りして、結局ひとりで疲れてしまう日があります。 太宰治『正義と微笑』は、そんな時に妙に腹落ちする本でした。十六歳の主人公が、世界の見え方が急に変わってしまった戸惑いをそのまま書きつけていて、読んでいると「ああ、こういう変化って大人になった今でも形を変えて続いているんだな」と思わされます。勉強が人格をつくるという話も、努力しろという説教ではなく、知識を役立てようと焦るより、ゆっくり心が広がる体験を大事にしていいんだと背中を押してくれる感じがあります。あと、人に理解されたい気持ちと、知られたくない気持ちの両方に揺れる感じが、そのまま今の僕にも刺さりました。 理屈より「自分の中で起きている微妙な変化」を丁寧に拾いたい人に向いている本だと思います。読みながら、自分の十六歳のころの不安や、最近の疲れの正体をそっと言語化してくれるような、そんな一冊です。
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