
実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ (中公新書)
宇野重規 and 若林恵
中央公論新社 / 20231023
この本について
政治の話題って、距離を置きたい気持ちと「でも無関心ではいられないよな」という焦りが同時にあるんですよね。SNSを見るたびに、専門家の意見も市民の声もフラットに流れ込んできて、誰を信じればいいのかよくわからなくなる。行政や官僚への不信も耳にするけれど、かといって「市民の声だけでやっていけるのか」と言われると、それも違う気がする。この辺のモヤモヤを、どうにか言葉にしたくてもなかなか難しいまま時間だけが過ぎる…そんな感覚がありました。 この本が面白いのは、そうした葛藤を“時代の変化”として扱い直してくれるところです。民主主義を制度ではなく「巨大な大変動」と捉え、情報の平等化がもたらしたイライラや分断も、その流れの一部として位置づけてくれる。市民の政治参加を選挙の一日ではなく「行使」として日常に拡張していく視点や、行政がファシリテーターになる未来像も、政治への関わり方を少し違う角度から考え直させてくれます。さらに、旧来の市民運動が弱まるなかでファンダム的なつながりに新しい主体性を見出す議論は、現代の“動員”の正体を理解する助けになりました。 政治に疲れているけれど、ただ距離を置くだけでは済まなくなってきたと感じている人に刺さる本です。自分の立ち位置を即断するためではなく、「いま起きていることをどう受け止めるか」を静かに整えたいときに使える一冊だと思います。
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ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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