
問いを問う ――哲学入門講義 (ちくま新書)
入不ニ基義
筑摩書房 / 20230907
この本について
最近、考えれば考えるほど霧が濃くなるような感覚にハマることがあります。分かったつもりで仕事を進めていたのに、ふと「これ、本当に分かってたのか…?」と足が止まる、あの感じです。明確な答えを探しにいったはずが、むしろ問いのほうが増えていく。そこに不安というより、居心地の悪さが残るんですよね。 『問いを問う』は、その“居心地の悪さ”そのものを扱う本でした。問いが問いを呼び、ジグザグに視点を行き来しながら深まっていく様子が丁寧に言語化されていて、「ああ、後戻りしてるんじゃなくて、こういう動きそのものが思考なんだ」と腑に落ちます。また、答えにたどり着けないことを「失敗」とみなさない視点は、日常の判断にも効いてきます。たとえば会議で噛み合わない議論に見えても、立場を入れ替えるだけで景色が変わる、あの感じです。さらに、心の表層・中層・深層の話を読むと、自分の感じ方や他者理解が「知」か「信」かの二択じゃ説明できない理由が、ゆっくりほどけていきます。 答えよりも「今どこに立って考えているのか」を確かめたい人には、かなり刺さると思います。考えることに疲れたときより、むしろ「もう一段深く潜れる気がする」というときに開きたくなる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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