
AIに意識は生まれるか
金井良太 and 佐藤喬
イースト・プレス / 2023-10-18
この本について
ときどき、自分が見ている世界ってどこまで「本物」なんだろう、と妙に立ち止まってしまうことがあります。AIのニュースを見れば見るほど、人間の意識とは何なのか、自分の感じている赤さや痛みはどこから来ているのか、ふと不安になるというか。考えても霧が晴れないまま、日常だけが進んでいく感じがあります。 この本は、そういうモヤモヤにいきなり答えをくれるわけではないのですが、「あ、そもそも問いの立て方を間違えていたかもしれない」と視点をひっくり返してくれます。たとえば、クオリアが物理世界そのものではなく、脳がつくるフィクションであり、インターフェースにすぎないという説明は、自分が当たり前だと思い込んでいた足場を揺らしてくれました。さらに、意識を統合情報として捉えるIITの視点や、トップダウンが知覚を塗り替えてしまう錯視の話を読むと、「感じている世界」はずいぶん柔らかい構造物なんだと実感します。AIの意識がどこまで可能なのかという議論も、技術の話というより、自分の“感じる”という営みの輪郭を描き直す作業に近いです。 自分が何に反応し、どう世界を形づくっているのかに関心がある人には、静かに刺さる本だと思います。僕自身も読みながら不思議と落ち着いてきて、あいまいさを抱えたままでも考え続けていいんだと感じられました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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