
ウルトラランナー:限界に挑む挑戦者たち
アダーナン フィン、児島 修
青土社 / 2024-03
この本について
最近、なんでも効率化されていく中で、「頑張っているはずなのに、どこか物足りない」とか「快適なんだけど、心がどっしりしない」という感覚を抱える人、多い気がします。ぼく自身も同じで、余裕があるはずなのに落ち着かない日が続くときがあります。 この本が面白いのは、ウルトラランナーたちがわざわざ不便や痛みに向かっていく理由が、ただの根性論ではなく、彼らなりの“世界との向き合い方”として描かれているところです。ほぼウォーターボトルとレインジャケットだけで自然に入っていく感じに、僕らの日常とは違うシンプルさがありますし、「人は快適さを幸福と勘違いしている」という言葉は、仕事でいっぱいいっぱいになってるときに妙に刺さります。 読んでいて思ったのは、限界に挑む話というより、自分が普段避けている不快さの正体に気づかされる本だということです。逃げたくなる瞬間を「痛みの洞窟」として掘り進むランナーの姿は、僕らが仕事でひとつ面倒なタスクに手を伸ばす感覚とも重なりますし、「私が嵐なのだ」と言い返すシーンは、根拠がなくても一歩進める瞬間ってあるよな、と素直に思えました。 自分のペースを見失いがちな人に刺さると思います。極限の世界の話なのに、意外と日常の手触りに近い本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの83%が集中しています。
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