
有と無: 見え方の違いで対立する二つの世界観
細谷功
dZERO / 20240628
この本について
人と話していて、「それって絶対こうでしょ」と言い切りたくなる瞬間ってありませんか。仕事でも家庭でも、自分の経験から見える“当たり前”に無自覚なまま意見してしまって、あとでちょっとモヤッとする。僕もよくあります。自分は具体的に語るのに、相手のことはざっくり一般化して見てしまう、あの非対称さに気づいたときの居心地の悪さも含めて。 細谷功さんの『有と無』は、そんなモヤモヤをそのまま扱ってくれる本でした。何かを判断するとき、僕らはほぼ無意識に「あるもの」だけを材料にして考えがちで、「ないもの」や前提のほうにはなかなか目が向かない。このクセに一度気づくと、他人とのズレが起きる理由も、自分の思考が行き詰まる理由も、急に輪郭がはっきりしてきます。特に“どんな前提でその意見になるのか”を問い直す視点は、会議でも家庭でも使える実感がありました。 また、自分中心の視点から少し離れて、「上空から眺める」ように状況を捉え直すあの感覚。これができると、正解のない議論でも必要以上に熱くならずに済むし、相手の言葉の背景が少しだけ透けて見えるようになる。僕はこれだけでも、日々の摩擦がだいぶ減りました。 自分と他人の“見え方の差”に疲れやすい人に刺さる本だと思います。絶対的な答えをくれる本ではなく、視点の置き方をそっと渡してくれる一冊です。
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