
つながる読書 ――10代に推したいこの一冊 (ちくまプリマー新書)
小池陽慈
この本について
人から何か言われるたびに心がざわついたり、孤独を抱える自分をうまく扱えなかったり、「言葉にできない感覚」が心の奥に溜まっていくことってありますよね。誰かに相談してもスッと晴れるわけじゃなくて、むしろ自分の中の声が聞こえづらくなっていくような感じさえある。そんなとき、本を読む理由ってなんだろう、と立ち止まることがあります。 『つながる読書』は、読書を「賢くなる手段」ではなく、「自分の心とつながるための場所」として書いている一冊です。たとえば、傷つく物語を読むことを必要な経験として肯定してくれたり、本は情報ではなく友達だと穏やかに言い切ってくれたりする。そうした言葉を読んでいると、無理に前向きにならなくてもいいんだ、と肩の力が抜けていきます。自分の中の弱さや悪さに向き合う視点もあって、「善い人でいなきゃ」と思い詰めてしまう日常から少し距離を置けるのもありがたいところです。 もうひとつ印象的なのは、「言葉を奪われないために読む」という感覚です。他人の意見に流されやすいときほど、自分の言葉がどこにあるか見失いがちですが、この本はその感覚を丁寧に拾い上げてくれる。誰かの物語を通して、世界の厳しさも、人間の弱さも、そしてそれでも前に進む力も、ちゃんと自分の中に持ち帰れるようにしてくれます。 ひとりでいる時間が増えたとき、その孤独をどう扱えばいいかわからない人に、とても静かに効く本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
読書の順序
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