
休むヒント。
群像編集部
講談社 / 2024-04-11
この本について
忙しさでいっぱいのはずなのに、ふとした瞬間に「何をしているんだろう」と立ち止まってしまうことがあります。休んだはずなのに全然回復していないとか、予定を埋めることでしか自分を保てないとか、そういうモヤモヤを抱えている人は多いと思います。僕自身も、動き続けていれば価値のある人間でいられるような気がして、止まることに妙な罪悪感がつきまといます。 この本は、そんな「休むのが下手な人」に静かに刺さります。たとえば、忙しくしているだけで前に進んだ気になってしまう感覚を、丁寧に解きほぐしてくれるところがあります。休まない主体が陥りがちな錯覚を、少し笑いながら指摘してくれるので、読んでいると自分の思い込みに気づけるんです。また、休むとは「自分を対象化して操ろうとする手つき」をいったんやめることだという視点も、新鮮でした。どう休むかを考えている時点で休めていない、という指摘は胸が痛いけれど、どこか救われます。そしてもう一つ、著者たちの旅や育休、逃走のエピソードが、休みを「整えるための行動」ではなく、もっと人間らしい揺らぎとして描いてくれるのがよかったです。 効率よく回復したい人よりも、「休むことへの違和感を抱えたまま走ってきた人」にこそ届く本だと思います。読んだあと、休むことをもう少し誤解していいのかもしれない、と思えるようになります。
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