
成人発達理論から考える成長疲労社会への処方箋
加藤洋平
日本能率協会マネジメントセンター / 2023-04-20
この本について
最近、「休むのにも理由が必要な気がする」とか、「余暇まで生産的に使わなきゃと焦ってしまう」といった感覚を抱えている人、多いんじゃないでしょうか。僕自身もまさにそうで、休んでいるはずなのにどこか落ち着かないし、成長し続けなきゃという無言の圧にずっと追われている感じがありました。 この本は、そうした“成長疲れ”の背景を、社会の構造や大人の思考の発達段階から整理して見せてくれます。例えば、なぜ休息が「効率を上げるための手段」に変質してしまったのかとか、なぜ痛みや違和感からすぐ逃げたくなるのかとか、そういう日常のモヤモヤを社会レベルの文脈に置き直してくれるんです。さらに、いまの価値観をいったん手放すプロセスが本来の成長につながる、という視点も個人的にはかなり救いになりました。“頑張れない自分が悪い”ではなく、“そもそもシステムが異常寄りなんだ”と思えるだけで呼吸がしやすくなる気がします。 とはいえ、急に劇的に変わるわけではなくて、休息の意味を自分なりに定義してみるとか、日々の活動を少しずつ手放してみるとか、ほんの小さな実験を提案してくれる現実的な一冊です。自分の時間や思考の癖を取り戻していくプロセスに寄り添ってくれる感じがあります。 「努力すること自体は嫌いじゃないけれど、このまま走り続けていいのか不安になる」という人にはかなり刺さると思います。
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