
だからあれほど言ったのに(マガジンハウス新書)
内田樹
マガジンハウス / 2024-03-28
この本について
最近、自分の責任範囲がどこまでなのか分からなくなることが増えました。職場でも家庭でも、「本来は自分の担当じゃないはずのこと」に振り回されているような気がして、距離を取れば気が楽なのに、どこか割り切れない。この本を読んで、そんなモヤモヤの正体が少しだけ言語化された気がしました。 内田樹さんは、「自分には責任がない」と切り捨てるより、むしろ他人の失敗まで引き受ける姿勢が成熟をつくる、と静かに言います。もちろん、自己犠牲のすすめではなくて、「境界の引き方」に新しい視点をくれる感じです。また、学びとは「入力のたびに自分の容器そのものが変わっていくこと」だという一文も、日々同じ思考パターンから抜け出せないときに効きました。知るとは“頭を満たす”より“余白をつくる”ことなのか、と。 さらに刺さったのは、共同体の豊かさを「私財」ではなく「コモン」で語る視点でした。自分の生活圏をどう守るかという話ではなく、どんな場所で生きたいのか、というより根っこの問いを突かれた感じがあります。 慌ただしい日常の中で、自分の成熟や学びのあり方を一度立ち止まって見直したい人に向く本です。「答え」を示すというより、視界が一段クリアになるような読後感でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの34%が集中しています。
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