
複雑化の教育論 (シリーズ・越境する教育)
内田樹
この本について
仕事でも学校でも、人と向き合う場面になると「結局どうするのが正解なんだろう」と手が止まることが多いですよね。答えを急ぐほど視野が狭くなって、AかBかで割り切れない現実に置いていかれる感じがある。コミュニケーションも「ちゃんと伝える」ことばかり求められて、うまくいかなくなった時に何をすればいいのかは誰も教えてくれない。僕自身、そのあたりでずっと迷ってきました。 この本が面白いのは、「複雑さに耐える力」や「関係が壊れたところから再開する力」こそが実用的だ、と静かに言い切っているところです。問題を単純化して片づけるのではなく、中腰のまま状況を保留できる余白を持つこと。それができると、人との関係でも、仕事の判断でも、意外なところで復元力が働き始める。学校という場の話が軸になっていますが、子どもへの接し方を語りながら、実は大人の私たちが失ってきた視点をそっと突いてきます。「君はここにいていい」とまず安心をつくることの重要さなんて、職場でも家庭でもそのまま当てはまると思います。 複雑さから逃げずにやっていきたいけれど、正解を急ぐクセが抜けなくてしんどい人には特にしっくりくるはずです。僕にとっても、状況をすぐ白黒つけようとする癖をゆるめてくれる一冊でした。
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多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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