
安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方 (中公新書)
山岸俊男
この本について
仕事でも人間関係でも、「この人をどこまで信用していいんだろう」と迷う瞬間ってありますよね。自分の感じている不安が、相手そのものへの不信なのか、それとも状況が読めないことへの不安なのか。その境目がよくわからなくて、モヤモヤだけが残ることがあると思います。 この本は、そのモヤモヤを「信頼」と「安心」という二つの視点に分けてくれます。読み進めるうちに、相手の人格を信じられないというより、単に情報が足りなくて安心できないだけ、という場面が実はかなり多いことに気づかされます。日本では“しくみ”の側に安心が組み込まれてきたからこそ、状況が変わると一気に不安が広がりやすい。その構造を丁寧に見せてくれるので、「自分が臆病なんじゃなくて、環境の問題なんだ」と視点が少し変わるんですよね。 特に、透明性があるだけで協力しようとする人が増える、逆に不確実性が高いだけで他者一般を信じられなくなる、といった実験結果は、日頃の職場やプロジェクトでの違和感とつながりやすいと思います。「自分と相手の性格」ではなく「仕組みの設計」で行動が大きく変わる、という感覚が腑に落ちるはずです。 組織にいると他人との距離感に疲れやすい人や、個人で働きながら「なぜあの小さな不安が消えないんだろう」と感じている人に静かに効く一冊です。
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