
交渉術 (文春文庫)
佐藤 優
秀和システム / 2020-04
この本について
仕事でも日常でも、人と向き合うときに「この人をどこまで信用していいんだろう」と迷うことが多いです。表向きは普通でも、いざという場面で急に態度が変わる人もいて、距離感のつかみ方にモヤモヤすることがあります。私自身、その勘違いで痛い思いをしたことがあり、どう線を引けばいいのか長いこと悩んでいました。 佐藤優さんの『交渉術』は、いわゆるテクニック本というより、人間をどう見て、どう関わるかという“現場の基準”が淡々と書かれています。たとえば、信頼が固まっていない相手とのやり取りは必ず立ち会うとか、酩酊すると暴力的になる人とは距離を置くべきだとか、一見あたりまえだけど、実際の場面では流されがちな線の引き方がかなり具体的に示されます。また、交渉という言葉を使いつつ、「こちらの利益を損なうなら交渉しない」という撤退の判断基準もあり、無理に折り合いをつけようとして自分をすり減らすクセを持つ人には刺さると思います。 全体を通して感じるのは、人間関係の判断には運や外部要因も大きく、だからこそ自分の身を守る基準を持つ必要がある、という静かな視点です。無理に人を信じ込むのでも、逆に疑い続けるのでもなく、現実的に距離を調整したい人に向いています。特に、相手の言葉より“行動の癖”で判断したい人には心強い一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの47%が集中しています。
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