
愛するということ
エーリッヒ・フロム and 鈴木晶
紀伊国屋書店 / 2020-08
この本について
人間関係でつまずくときって、「どう愛されるか」ばかり考えてしまいがちですよね。相手の気持ちに怯えたり、自分の価値を測り続けたり、相手に合わせすぎて疲れてしまったり。でも本当は、自分の内側が整っていないまま誰かを愛そうとすること自体が、そもそも無理筋なのかもしれません。 フロムの『愛するということ』は、そういう焦りの渦のなかにいるときに、急に視界を開けさせてくれる一冊でした。抜粋にもあるように、愛は「感情」ではなく「成熟した働き」で、相手をどう動かすかではなく、自分がどう生きているかが土台になるという視点が強烈です。与えることが奪われることではないという静かな確信や、相手を尊重するとは「その人がその人らしく育つのを見守ること」だという考え方は、実生活の具体的な場面にすぐ落とし込めました。恋人との距離感に迷っているときも、友人や家族との関わりに疲れたときも、自分の内側で何が起きているのかを落ち着いて見つめるきっかけになります。 誰かとの関係がうまくいかないとき、「相手がどうか」より先に「自分の成熟度」を見つめ直す必要があるかもしれない。そんな視点が必要だと感じている人に刺さる本です。
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