
フロムに学ぶ 「愛する」ための心理学 (NHK出版新書)
鈴木 晶
この本について
人間関係で空回りしているときって、相手の反応よりも、自分の「愛し方」そのものに不安を感じていることが多い気がします。愛されたいのか、踏み込まれるのが怖いのか、そもそも自分は誰かとちゃんと向き合えるのか。頭では考えているつもりでも、実際は自分の心理がよくわからないまま疲れだけ溜まっていく……そんなときに読んで救われたのが、このフロムの考えを丁寧にほどいた一冊でした。 効いた理由は、まず「愛は決意であり約束だ」という視点を、幻想ではなく現実的な行動として説明してくれるところです。与えるとは何か、なぜ人は踏み込まれるのを恐れるのか、利己的でも自己犠牲的でもない関係はどう成立するのか。抽象論じゃなく、具体的な“未熟な愛”のパターンを挙げながら、自分がどこでつまずいているのかを照らしてくれます。そしてもう一つは、資本主義のなかで「自分を高く売る」ことに慣れすぎた私たちが、無意識に他者との関係まで交換の原理で測ってしまうという指摘。これに気づくと、愛し方の癖が一段見えやすくなります。 「愛されたいけれど、どう向き合えばいいのかわからない」という人ほど、静かに刺さる本だと思います。読んでみて、ようやく自分の内側の声に耳を傾けるという感覚がつかめました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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